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2009年9月 5日 (土)

幸せは何処にある?『Faubourg 36』

時間があって、試写会に応募しまくった時があった。
住まいが首都から80km圏内だからなのか、尽く外れる。誰か住所を貸してほしい気持ちになる。勤務先の住所で応募したくなる衝動に駆られる。

30日にスペースFS汐留で行われた試写会。プランタンGINZAカードを持っている人限定で抽選でした。プランタン銀座の各階エスカレーター脇に置かれた応募用紙に記入して応募すればOK。
カードを持っている人限定で、プランタンに行かないと応募できないから、当選確率は低めだったんでしょうね。ありがたやありがたや。

邦題は『幸せはシャンソニア劇場から』、原題は『Faubourg 36』 。原題とかけ離れたタイトルで、タイトルの風味が『この森で、天使はバスを降りた』を思い出させた。
『Foubourg 36』、フランス語はさっぱりなので、意味が判らなくて、「ストーリーの時代設定が1936年だから、1936ってこと?」なんて思ったりした。今、久々にPCを開いたのでネットで調べてみたら「Faubour」は「フォーブル」って読み、「郊外」って意味があった。
物語の舞台は、確かに郊外。でも、日本の郊外とはイメージが異なる。お洒落な浅草のような感じ。
主人公は息子を海に連れて行きたいって思っていたから、海からは離れた場所。海には「旅行で行く」という感覚だから、日本で言えば海無し県の県庁所在地って感じなのだろうか。
邦題から判るように、シャンソニア劇場がキーとなります。
劇場周辺の人々の悲喜交々。地上げ屋の様な金貸しとの遣り合い、親子愛、ラブロマンス、それらが劇場を軸に織り上げられていました。
Dsc00358 1935年の大晦日から物語は始まり、それからおよそ半年間。そして時代は飛んで10年後。これを2時間で飽きることなく、笑いも涙もありで魅せられました。
もう公開も始まりましたし、ネタばれ書いても良いですよね。
主演のジェラール・ジュニョは『バティニョールおじさん』でも可愛いおじさん役(本当は「おっさん」と言った方が正しい、が、私のキャラではないので「おじさん」と表記する)を演じ、更に同作品の監督までやられた人です。
今回の出演者で私が知っている人、尚且つ映画で見た事のある人はジェラール・ジョニョだけでした。きっと、試写会に当選しなかったら出逢わなかった作品ですね。だから、今回、この作品に出逢えた幸せを感じている最中でもあります。
1936年は昭和11年にあたります。この頃の日本は、国会議事堂が建てられたり、私の父が生まれたり(苦笑)、そして暗黒の時代へと進んでいました。それはパリでも同じで、世界恐慌による不況でとある劇場の火が消えてしまいました。劇場主が借金を返せなくなってしまったからです。返金の期限は大晦日で、その日に劇場主は自殺を図ります。
その瞬間から劇場関係者は無職。ピゴワルは仕事のみならず妻も失います。劇場の歌姫でもあった妻は身持ちが悪く、ほかの男と逃げてしまったのです。
でも、ピゴワルには一粒種のジョジョがいました。……ジョジョを文字にすると、某漫画が思い浮かびますね。でも、フランス語で「ジョジョ」って優しく発音すると、イイ感じなんですよ。ジョジョの年齢は10歳くらいでしょうか。
ジョジョはいなくなった母親よりも父であるピゴワルを愛し、父を思い遣り、そして家計を助ける為に路上で友人とアコーディオンを弾きます。このアコーディオンはピゴワルが教えるわけもなく、ピゴワルの昔の知合いが内緒で教えていたものでした。父からは、その知合いは「変人だから関わらないように」と釘を刺されていたのですが、子どもは本質を見抜ける天性を持ち合わせているものだから、やはりジョジョも「悪い人じゃない」って判断して家へ行ってました。
知合いっていうのが、今で言う引きこもりで、仕事もしておらず、外の情報はラジオで得ているような男性です。仕事をしていないから収入も有る筈ないのに、豊かな暮らしをしていました。だからジョジョにアコーディオンを与える余裕があり、何故か教える技能もありました。
やがてジョジョがストリートミュージシャンをしている時に補導され、音楽で家計を支えていた事実がピゴワルに突き付けられます。そして、無職の父親には扶養する資格が無いという事で母親に引き取られてしまいした。この母親は素晴らしい女性で、逃げた男性とは別のお金持ちの子持ちの男性と再婚をしていたんですねぇ。劇場が閉鎖されて4ヶ月後くらいで鞍替えしちゃったんですかね。歌姫で劇場の華だったから、それなりの美貌をも持ち合わせていたのですが、ただただ溜息ものです。
ジョジョは母親のもとへ行き、そしてピゴワルには住んでいる場所は秘密にされました。連絡するにも弁護士を通さなくてはならず、ピゴワルがジョジョと一緒に住むにはピゴワルが定職に就く必要があったのです。
そこで一念発起して、劇場を占拠。シャンソニア劇場に再び火を入れようとするのです。
今の劇場の持ち主は、劇場を遣ろうという意思は無く、誰かに売ろうとしか考えていない男でした。暴力で物事を片付けようって考えの持ち主で、ピゴワルたちを劇場から力づくで排除しようとするのですが、ここで登場するのがヒロイン。
ヒロインのお陰で、ほんのひと時、劇場は息を吹き返し、良い方向へ進んでいきます。

後は、映画館で。

ヒロインと劇場スタッフのロマンスにはピゴワルとその仲間と同じように応援したり、ピゴワルがジョジョの住む所にアコーディオンを持って行った時にジョジョのパジャマに顔を埋めるシーンには胸が詰まったり、劇場で『Faubourg 36』の上演されると心躍ったりした。
音楽も良くて、今でも頭の中で「巴里~、巴里~♪」と歌が廻っている。
そして「これってミュージカルに良いんじゃん」と思うのだ。

シネスイッチでは金曜日がレディースディでお手頃価格で映画が見られるので、その日を狙って通おうかと目論んでいる。こういう時は、女に生れて良かったと思う瞬間でもある。

Dsc00355 今回の試写会では、帰る際にプレゼントがありました。
前売特別鑑賞券を購入すると貰えたメッセージカードとハンドタオルです。
ジョジョのシルエットがプリントされていて、使うのに戸惑います。おろせない。

バックステージ物というよりも、劇場に関わるストーリーだっていう事が私の心を惹きつけたのだろうか。

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コメント

すばらしい記事ですね。楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

予告編で、ジョジョのことが気になってしかたありませんでした。やっと、この記事を読んで少し心が安らかになりました。(笑)

私は、まだこの映画を見ていないのですが、いつか楽しみたいと思っています。♪

あの「パリ~、パリ~」の歌、私もたまらなく好きで頭の中を心地よくかけめぐります。すばらしい歌声ですね!

投稿: | 2011年3月10日 (木) 04時57分

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